先週4/26に割と大きなアップデートを含んだVxRail 4.0.200がリリースされたので、よく問い合わせいただく4.0.200で何が変わったかを簡単にまとめたいと思います。
【 VxRail 3.5以降のコンポーネントのバージョン】
昨年末にVxRail 4.0.0がリリースされてから、このところのvSphere側の脆弱性対応やマイナーバージョンアップに対応する形でパッチが矢継ぎ早にリリースされていたので各バージョンの内容を整理します。
VxRail 4.0.132以降で、vSphere 6.0u3がベースラインとなっているなど、vSAN周りの性能向上や安定性向上が期待できるので、今日現在はVxRail 4.0.200へのアップグレードが強く推奨されています。
■VxRail 3.5
- vSphere 6.0 Update2 (ESXi 6.0u2 + vCSA 6.0u2)
- vSAN 6.2
- vRealize Log insight 3.3.1
- VxRail Manager 3.5 (Marvin 3.5)
■VxRail 4.0 (メジャーバージョンアップ)
- vSphere 6.0 Update2+ (ESXi 6.0p03 + vCSA 6.0u2)
- vSAN 6.2
- vRealize Log insight 3.3.1
- VxRail Manager 4.0 (Marvin 4.0)
■VxRail 4.0.100 (VxRail 3.5から直接のアップグレード可能)
- vSphere 6.0 Update2a (ESXi 6.0p04 + vCSA 6.0u2a)
- vSAN 6.2
- vRealize Log insight 3.3.1
- VxRail Manager 4.0.100 (Marvin 4.0.100)
■VxRail 4.0.132 (VxRail 3.5からはVxRail Managerを4.0.100に更新してからアップグレード)
- vSphere 6.0 Update3 (ESXi 6.0u3 + vCSA 6.0u3)
- vSAN 6.2
- vRealize Log insight 3.3.1
- VxRail Manager 4.0.131 (Marvin 4.0.131)
■VxRail 4.0.200 (VxRail 3.5からはVxRail Managerを4.0.100に更新してからアップグレード)
- vSphere 6.0 Update3a (ESXi 6.0u3a + vCSA 6.0u3a)
- vSAN 6.2
- vRealize Log insight 3.3.1
- VxRail Manager 4.0.200 (Marvin 4.0.200)
【VxRail 4.0.200のエンハンスメント】
詳細はリリースノート(要Support EMCログイン)に記載がありますが、数が多いので個人的にこの更新は嬉しいなと思うものを以下まとめます。
特に気になった項目は太字にしています。
- VxRail Appliances deployed with an internal vCenter can be moved to an external vCenter.
(詳細は試してみないとわかりませんが、組み込みのvCenterを外部vCenterとしてVxRailクラスタの外に出す事ができる?ってことでしょうか。詳細は別途調べてみます) - vSphere Distributed Switch (VDS) のデフォルトポートグループ名の変更
- vSAN、vMotion用 VMkernelのIPアドレスの変更
- VDSのvCenterなどの管理ポートグループのVLAN変更.
- 組み込みのvCenter、PSCの管理パスワードの調整
administrator@vsphere.local
root@localos
root@vCSA - アップグレード時のコンパチチェックの最適化.
(以前の投稿でも書きましたが、地味にアップグレード時にリトライで治るエラーが出て心臓によくなかった) - vSphere Standard Editionライセンス利用時の半自動でのVxRail アップグレードの実装
(先月の投稿の時にお伝えしたvSphere Std利用時の煩わしさがなくなります) - Fixed Issue : VxRail cluster upgrade fails if cluster hosts are connected to iSCSI data store.
(https://support.emc.com/kb/495553 にもありましたが、iSCSIの外部データストアをマウントした状態のホストがあるとVxRailのアップグレードに失敗する問題、これが治ったことが個人的に一番大きなポイントです) - Fixed Issue : Physical view not recovered when PTAgent doesn’t get host agentinfo one time.
(これも地味にDELL版 PowerEdgeのアプライアンスでたまにHardware Viewの取得に失敗する事があって困っていたので早期に直って安心しました)
VxRail 3.0で昨年リリースされてから1年で4.0.200まで刻んできましたが、リリース当初はサポートされていなかった各種初期構成時のデフォルト値の変更や、柔軟な構成にも対応するように数々の改善が加わってきました。
来月のDELL EMC World 2017でも何か発表があるはずですし、vSphere 6.5がベースとなるVxRail 4.5の登場もそろそろなので、今年度もいろいろ情報を追っていこうと思います。
来週GW半ばあたりにiSCSiデータストアをマウントしたVxRail 3.5からVxRail 4.0.200へのアップグレードと、vSphere Standard Edtionのクラスタの「半自動」アップグレードの検証レポートをアップしたいと思います。